概要
- BBC PanoramaとThe Bureau of Investigative Journalismによる調査報道
- Deloitte CyprusがRoman Abramovichの資産隠蔽や脱税に関与した疑惑
- 数億ドル規模の資産が帳簿から消失
- 複数の偽造・遡及文書作成が明らかに
- 関係者は疑惑を否定、調査は継続中
世界最大の会計事務所Deloitte、Roman Abramovichの資産隠蔽に関与
- BBC PanoramaとThe Bureau of Investigative Journalismの合同調査による新証拠
- Deloitte Cyprusが 資産隠蔽 や 脱税スキーム に関与した疑い
- Roman Abramovichの ヨット・豪邸・プライベートジェット など、約6億7200万ドル(約5億800万ポンド)相当の資産が帳簿から消失
- Deloitteが署名したCyprusの会計書類により、資産がAbramovichの会社から消えた事例
資産隠蔽と遡及文書作成の実態
- 2006年、Cyprusの新会計公開法施行により、資産公開義務が発生
- 資産を British Virgin Islands(BVI) の親会社に移転し、2003年に遡及した偽造文書を作成
- Deloitte Cyprusが 遡及文書 を「適切」と評価し、帳簿から資産を削除
- Sheffield大学の会計学教授Lord Sikkaは「法的義務違反で極めてスキャンダラス」と指摘
脱税スキームの詳細
- Kravin Investmentsが2003年に約20億ドルの資金を保有
- 本来はCyprusで利子収入に課税されるはずが、DeloitteとMeritServusの助言で 偽造会計処理 を実施
- Kravinが実際には親会社のために資金を預かっていると見せかけ、Cyprusでの課税を回避
- Deloitteが「会計記録の変更が必要」と指示したメールの存在
- 金融サービス法の専門家Andrew Mitchell KCは「明白な脱税」と断定
さらなる資産隠蔽の手口
- Electus Investments(Cyprus)による100億ドル以上の資産隠蔽
- 同名のBVI法人を利用し、資産の所有権を2003年に遡及して移転したように偽装
- 公開帳簿上は14万5000ドルしか保有していないように見せかけ
専門家・関係者の見解と反応
- Andrew Mitchell KCは「プロフェッショナルが職業倫理と法を曲げている」と批判
- 元ロシア政府高官Vladimir Milovは「西側の金融・法律サービスがオリガルヒの資産隠蔽を助長」と指摘
- Roman Abramovich側は「日常業務に関与していない」「専門家の助言に従うのは正当」と主張
- Deloitte Cyprusは「20年以上前の文書であり、個別の疑惑にはコメントできない」と回答
- MeritServusはCyprus Confidentialリーク後に閉鎖
調査の背景と今後の課題
- Abramovichはロシアのウクライナ侵攻後、英国で制裁対象となりChelsea FCを売却
- Jersey島では54億ポンド相当の資産が凍結、刑事調査が継続
- 脱税や資産隠蔽に関わった専門家・企業の責任追及が今後の焦点