本文へPixel 10向けの0クリックエクスプロイトチェーン
概要
- Google Pixel 9 のゼロクリックからroot権限取得までのエクスプロイトチェーン公開
- Pixel 10 向けに同様のエクスプロイトチェーンを作成
- VPUドライバ に重大なカーネル脆弱性発見
- 脆弱性は 迅速にパッチ適用 され、Androidの対応速度向上を示唆
- Androidドライバの セキュリティ強化の必要性 を強調
Pixel 9のエクスプロイトチェーンとDolby脆弱性
- ゼロクリック脆弱性 (Dolby)を利用したPixel 9のroot権限獲得エクスプロイトチェーン
- 脆弱性は Android全体 に存在し、2026年1月にパッチ適用
- Pixel 10用のエクスプロイトチェーン作成を目指す動機
Dolby Exploitのアップデート
- CVE-2025-54957 向けエクスプロイトのバージョンアップ
- Pixel 9用のライブラリの オフセット をPixel 10用に調整
- Pixel 10では RET PAC 導入により__stack_chk_failの上書き不可
- dap_cpdp_init を上書き対象に選定し、機能的な問題を回避
- このエクスプロイトは 未パッチ(SPL 2025年12月以前)端末のみ有効
BigWave削除とVPUドライバの追加
- Pixel 10では BigWaveドライバ が非搭載となり、従来の特権昇格リンクは利用不可
- 新たに /dev/vpu としてVPUドライバがSELinuxコンテキストで確認
- Chips&Media Wave677DV 用ドライバで、BigWaveドライバと同じ開発者チームが担当
- Jann Horn と協力し、VPUドライバを2時間監査し、深刻な脆弱性を発見
VPUドライバのカーネル脆弱性
- vpu_mmap 関数の設計ミスによる物理メモリの無制限マッピング
- remap_pfn_range 呼び出し時、VMAサイズの上限チェックがなく、任意の物理メモリ範囲をユーザー空間にマッピング可能
- カーネルイメージ(.text, .data領域)へのアクセス・改変が容易
- Pixel端末ではカーネル物理アドレスが固定のため、オフセット計算が簡便
- 任意のカーネル関数上書き によるコード実行、または任意のプリミティブ獲得が可能
- 5行のコード でカーネル任意読み書き達成、1日未満でフルエクスプロイト完成
パッチ適用プロセスと評価
- 2025年11月24日 にバグ報告、Android VRPでHigh評価
- Pixel 9のBigWaveバグはModerate評価だったが、今回の対応は前進
- 71日後 (2026年2月Pixelセキュリティ速報)にパッチ公開
- Androidドライババグの初回報告から90日以内でのパッチは初
結論と今後の課題
- Project Zero の目標は個別バグ修正を超えたシステム的なセキュリティ改善
- VPU脆弱性対応はAndroidのトリアージ体制進化を示す
- 重大な脆弱性の 迅速なパッチ はユーザー保護に寄与
- 一方で、 ドライバコードの堅牢化 とセキュリティ意識向上が今後も不可欠
- BigWave報告後もVPUで即発見できる浅いバグが残存
- ベンダーの積極的なコード監査・開発プロセス改善 の継続的推進が重要
- セキュリティレポートは複雑な問題を明らかにするが、 製品出荷前の脆弱性排除 と セキュリティ重視の開発文化 が不可欠
これは素晴らしいバグレポートだね!俺はカーネルの専門家じゃないけど、10年以上前にちょっと読んだことがあるんだ。それでも、内容を追って何が起こっているのか理解できたよ。これが本当にひどいバグだったから、他にどんな危険が潜んでいるのか考えると怖くなる。しかも、見つけるのにそんなに手間がかからなかったしね。あと、最近のセキュリティ問題はAIを使って発生しているのが多いってのも注目すべき点だね。このレポートを見て思ったことは二つ。1. 専門知識はやっぱりめちゃくちゃ価値がある、ニッチな分野ほど価値が高い。2. まだAIが支配していないニッチな分野がたくさんあるってこと。