IBMはMicrosoftがダイアログフィールド間を移動するためにTabキーを使用することを望んでいなかった
概要
MicrosoftとIBMのOS/2共同開発時の文化的ギャップを描写。
フィールド移動キー選定を巡る両社の組織構造の違いを紹介。
現場判断と階層的意思決定の対比。
ユーモアを交えたエピソードで議論が決着。
著者Raymondの経歴と活動紹介。
OS/2共同開発における文化的ギャップ
- MicrosoftとIBMの協業における文化的ミスマッチ
- Microsoft側:IBMを「無意味な官僚主義に陥った組織」と見なす傾向
- IBM側:Microsoftを「規律のないハッカー集団」と捉える傾向
- 組織構造の違いが意思決定プロセスに影響
- Microsoft:現場担当者が自律的に判断
- IBM:意思決定を上層部までエスカレーションする階層型組織
フィールド移動キーを巡る意思決定
- Boca Raton(IBMオフィス)での実際のエピソード
- ダイアログボックスでフィールド移動に使うキーの選択が対立点
- Microsoft担当者はTABキーを選択
- IBM側はこの決定に不満を示し、Redmond本社のマネージャーにエスカレーションを要請
- Microsoftマネージャーの回答
- 「あなたがBocaにいる理由は、私がBocaに行かなくて済むようにその場で決定するため」
- 担当者はこれを「Microsoftはこの用途にTABキーを支持」と意訳してIBMへ伝達
- IBM側のさらなるエスカレーション
- プログラマーから7階層上のVPまで問題を持ち上げる
- 同等の職位のMicrosoft幹部からもTABキー支持の確認を要求
- Microsoft担当者のユーモラスな最終回答
- 「Bill Gatesの母親はTABキーに関心がない」
- この一言で議論が終結し、TABキーの採用が確定
著者Raymondの紹介
- RaymondはWindows進化に30年以上携わるエンジニア
- 2003年からブログ「The Old New Thing」を運営、予想以上の人気を獲得
- ブログ内容をまとめた書籍「The Old New Thing」(Addison Wesley 2007年刊)も出版
- Windows Dev Docs Twitterアカウントでも時折無駄話を投稿
補足
- アメリカでは日曜日が母の日
- TABキーについて母親に意見を求めるのは控えるべきとのユーモア