雇用は認知機能の低下を遅らせるのか?労働市場のショックからの証拠
10時間前原文(www.nber.org)
概要
- 米国高齢者の労働離脱が認知機能低下と関連
- 労働需要ショックを用いた因果推定
- **男性(51~64歳)**で顕著な影響
- 就労継続が認知機能維持に有効との証拠
- 退職年齢に限定しない新たな知見
米国高齢者の就労と認知機能低下の関係
- 米国高齢者の平均寿命が延びるなか、認知機能低下や認知症による障害の割合が増加傾向
- 多くの高齢者が65歳以前に労働市場から離脱
- 先行研究では、早期退職が認知機能低下を加速させる可能性を示唆
研究方法とデータ
- HRS(Health and Retirement Study)データを活用
- 労働需要の外生的変動(Bartikインストゥルメント)を用いて因果関係を推定
- 地域ごとの労働市場の変化による就業状況の違いに着目
主な発見
- 労働需要の低下による認知スコアの大幅な低下を確認
- 特に51~64歳男性で影響が顕著
- 女性やより高齢の男性には限定的な影響
- 地域労働市場の状況が就業および認知機能に与える影響
意義と示唆
- 従来の退職年齢前後だけでなく、幅広い年齢層で就労の意義を確認
- 高齢期までの就労継続が認知機能低下の抑制に寄与する可能性
- 高齢者の雇用政策や社会保障設計への示唆
参考文献
- Noah Arman Kouchekinia, David Neumark, Tim A. Bruckner, "Does Employment Slow Cognitive Decline? Evidence from Labor Market Shocks," NBER Working Paper 35117 (2026), https://doi.org/10.3386/w35117