オランダ中央銀行、AWSを放棄しリドルを欧州クラウドに選定
概要
- オランダ中央銀行(DNB)がSchwarz Digitsと契約予定
- アメリカ系クラウド依存からヨーロッパ系へ転換を目指す動き
- Lidlのクラウド基盤Stackitを利用
- 欧州法下でのデータ主権確保がポイント
- 金融分野におけるクラウド依存リスクへの対応策
DNB、Schwarz Digitsとの大型契約締結へ
- DNB(De Nederlandsche Bank)がSchwarz Digits(Lidl親会社Schwarz GroupのIT部門)と主要契約を締結予定
- 目的はアメリカ系クラウド企業への依存度低減
- ヨーロッパ系パートナー選択によるデータ主権強化
- 発表はHannover MesseでSales Director Bernd Wagnerが実施
- DNBのSteven Maijoorディレクターは2023年10月時点で欧州クラウド移行方針を表明済み
ヨーロッパクラウドの現状と課題
- Amazon、Google、Microsoftのクラウドは20年規模の開発実績
- LidlのStackitは開発年数が短く、品質・堅牢性で差が存在
- Schleswig-Holstein州ではMicrosoftからオープンソース環境への移行に苦戦
- Lidl、Kaufland、Deutsche Bahn等がStackit導入済み
- 今回は規制の厳しい金融分野での導入が特徴
クラウド依存リスクと地政学的懸念
- DNB、AFM(オランダ金融市場庁)は外国ITサービス依存リスクを警告
- 特にアメリカ系サービスへの依存度が高い点を問題視
- 地政学的緊張がリスク増大要因
- 例:国際刑事裁判所(ICC)がMicrosoftメール遮断を経験
- ICCも非米国系システムへ移行中
- DNB自身も米国系サービス依存を認めている状況
Schwarz DigitsとStackitの特徴
- Stackitはヨーロッパ法下でのデータ主権型クラウドを提供
- Cloud Act等の米国法によるデータ開示義務がない点が強み
- Lübbenauに110億ユーロ規模のデータセンター建設計画
- SAP、Bayern Munich等の外部顧客も獲得
- Deutsche Telekomと連携し欧州ITインフラ強化を推進
今後の展望とDNBの対応姿勢
- DNBはクラウド依存リスクへの懸念を公式に認める
- 新規クラウド導入時には地政学的リスク評価を実施
- 依存度低減策の継続的な模索を表明
- 個別契約内容についてはコメントを控える姿勢
このように、DNBの今回の動きは欧州データ主権確保とアメリカ依存からの脱却という大きな潮流の一環であり、今後の欧州クラウド市場や金融機関のIT戦略にも大きな影響を与える可能性が高い。