Gentoo Linux 2025 レビュー
概要
- Gentooの2025年の活動総括と2026年の展望
- 新開発者の加入やパッケージ増強、WSL対応など多様な進化
- EAPI 9やCodeberg移行など、全体的な技術刷新
- 物理・財政インフラの現状と今後の課題
- コミュニティの貢献と今後の参加呼びかけ
Gentoo 2025年総括と2026年の展望
- Gentooは2025年も多くの進展と変革を経験
- 新規開発者加入、バイナリパッケージの拡充、GnuPG代替対応、WSL対応、Rustブートストラップ改善など多彩な取り組み
- NGINXパッケージングの刷新やドキュメント強化も実施
- 年間コミット数は112,927件、外部コントリビューターは377名
- GURUリポジトリの活動は減少傾向だが、貢献者数は増加
- 2025年のコミット数は5,813件、貢献者数は264名
- バグトラッカーの活動はやや減少、解決数は22,395件
新規Gentoo開発者
- 2025年に4名の新開発者が加入
- Jay Faulkner (jayf):OpenStackに精通、米国ワシントン出身
- Michael Mair-Keimberger (mm1ke):オーストリアのネットワークセキュリティエンジニア、品質管理に注力
- Alexander Puck Neuwirth (apn-pucky):物理学ポスドク、イタリア在住、CIやRISC-Vにも関心
- Jaco Kroon (jkroon):南アフリカのシステム管理者、Asteriskなどに貢献
主要な変更・ニュース
- Codeberg移行:Copilot強制回避のため、ミラーとPR受付をGithubからCodebergへ移行計画
- EAPI 9:新仕様策定、Portage対応完了。エラーハンドリングやedo関数、ビルド環境のクリーン化など新機能追加
- イベント参加:FOSDEM 2025(Brussels)、FrOSCon 2025(Sankt Augustin)、GNU Tools Cauldron 2025(Porto)などで存在感
- SPIへの財務移行:寄付受付先の変更を推進、経費支出も段階的にSPI経由へ移行中
- オンラインワークショップ:EAPI 9やGnuPG/LibrePGPなど多様なテーマで開催
アーキテクチャ関連
- RISC-V対応:QCOW2形式の起動可能イメージを提供開始、rv64gc/ lp64d対応
- Gentoo for WSL:amd64ベースでWSL向けイメージを毎週公開
- hppa/sparc:安定キーワード削除、テスト用サポート継続
- muslロケール:muslベースステージでロケールサポートを標準化
パッケージ・技術面の進化
- GPG代替:GnuPG、FreePG、Sequoia-PGP/Chameleonの切り替え可能な仕組み導入
- zlib-ng対応:zlib-ng/minizip-ngを互換モードで利用可能に
- system-wide jobserver:ビルドジョブの全体管理を実現するsteve導入、Portageで実験的サポート
- NGINX再構成:サードパーティモジュール分離によるパッケージ改善
- Rustブートストラップ:mrustcを用いたC++経由のRust自力ビルドパス追加
- Ada/Dブートストラップ:gccのUSEフラグ切替で容易に有効化可能
- FlexiBLAS採用:BLAS実装のランタイム切替とABI安定性確保
- Python:デフォルトバージョンが3.13に、3.14も安定提供
- KDE:KDE Gear 25.08.3、Frameworks 6.20.0、Plasma 6.5.4を安定提供
物理・ソフトウェアインフラ
- ビルドサーバ増強:Hetzner Germanyに2台目の専用サーバ追加、ステージ/ISO/QCOW2/バイナリ生成を高速化
- ドキュメント:wiki.gentoo.orgで継続的に拡充、Handbookも大幅更新
- 現在9,647ページ、累計766,731回の編集
財政状況
- 収入:Gentoo Foundationは2025年度で$12,066を受領(主に個人寄付)
- SPI経由では$8,471を同期間に受領
- 支出:プログラムサービス$8,332、管理$1,724、募金活動$905、減価償却$10,075
- 残高:2025年7月1日時点で$104,831
- SPI移行:未移行の定期寄付者へ移行促進を呼びかけ、支出も順次SPI経由へ
コミュニティへの感謝と参加呼びかけ
- 全開発者・貢献者へ感謝
- 新規参加者・貢献者の募集
- Gentooはボランティア主導のプロジェクトであり、コミュニティの力が不可欠