iNaturalistを辞めた理由
98日前原文(kueda.net)
概要
- iNaturalistの創設者が18年の活動を経て退職
- 現リーダーシップへの不信と組織運営・製品方針の対立
- 組織と製品開発の歴史、内部対立の詳細な経緯
- Seekなど複数プロダクトの必要性を強調
- 今後の活動継続にはPatreonでの支援を呼びかけ
iNaturalist創設から独立非営利化までの歩み
- 2003年、San Francisco Bay Area移住後にiNaturalist構想を着想
- 2007年、UC Berkeley School of InformationでNate Agrin、Jess Klineと共にプロトタイプ開発
- 卒業後もNateと共に余暇で開発を継続、2009年からScottと連携開始
- Scottの貢献:採用・資金調達・コラボ推進、LLC設立による資金管理体制構築
- 2014年、California Academy of Sciences (CAS)に参加しリソース拡充、スタッフ増強・ユーザー増加に対応
- 2023年、CASとの難航した交渉を経て独立非営利組織化
組織運営・リーダーシップの課題
- iNatは長年「無構造のアナーキー」状態、共同目標や協働体制の構築に苦戦
- CAS在籍末期にソシオクラシー導入を試行も、全員の理解・合意なく失敗
- 民主的プロセスからヒエラルキーへの転換、「リーダーシップサークル」設置
- 構成:自分、Scott、Carrie
- 役割不明確、CAS離脱・新組織設立のための法務・理事会設計等に従事
- 意思決定で少数派となり、モチベーション低下→エンジニア職へ専念
iNat Next(新モバイルアプリ)開発と内紛
- iNat Nextは既存チームのリソース超過、専任スタッフ増員で対応
- リーダーシップからの曖昧な指示・目標設定、Apple App Store掲載を目指し方針が頻繁に変更
- 開発チームの意見が無視され、士気低下・不信感増大
- 組織改革と「Head of Product」新設を提案するも却下される
- ScottがExecutive Director兼Head of Product就任を発表
- 2025年5月、iNat Next関係者へ半年分給与の退職勧告、スタッフ大量離職(30%減)
Google gen AI助成金問題と組織文化
- Google gen AI助成金の発表がチームに事前共有されず、Scientific Americanでも取り上げられる騒動
- Engagementチームの反対意見をリーダーシップが無視
- 助成金自体は退職理由の直接要因ではないが、組織文化の問題の象徴
プロダクト方針の根本的対立
- リーダーシップ:単一プロダクトで全ユーザー層をカバーすべきという考え
- 創設者自身:熱心なナチュラリストとカジュアルユーザーのニーズは分離すべき
- iNatは複雑でパワフルな機能→初心者には障壁
- Seekはカジュアル層向けに特化し大成功、iNatとは異なる役割
- Seekの成功例
- 専門家も「ちょっとした確認」にSeekを活用
- 家族もSeekで植物観察を楽しむなど、iNatでは届かなかった層へのリーチ
- ミッションは「人と自然をテクノロジーでつなぐ」こと
- 複数プロダクトで多様なユーザー層にリーチできれば成功
- Seekユーザーが必ずしもデータ提供者でなくても問題なし
今後の活動と支援の呼びかけ
- 今後もナチュラルヒストリー系ソフトウェア開発を希望
- 継続活動のためPatreonでの支援を呼びかけ
- 本投稿は「周知」「説明」「記録」のためのもの
まとめ
- iNaturalist創設者がリーダーシップへの根本的不信から退職
- 組織運営・プロダクト方針の対立、スタッフ大量離職
- Seekなど複数プロダクトの必要性を強調
- 今後は独自に活動継続、支援を呼びかけ