今までに見たことのないクモの巣
102日前原文(www.nytimes.com)
概要
世界最大級のクモの巣が、アルバニアとギリシャの国境にあるSulfur Caveで発見された事例。
約11万匹のクモが共存し、異なる2種が協力関係を築いている点が注目。
巣の巨大さは、洞窟内の豊富な餌と特殊な環境に起因。
クモたちは洞窟内で独自の進化を遂げていることが判明。
今後もこの特異な共同体の研究が進められる見込み。
Sulfur Caveで発見された巨大クモの巣
- Sulfur Caveで発見された、世界最大級のクモの巣
- 巣の広さは約106平方メートル(1,140平方フィート)、小さな家に相当
- 洞窟はアルバニアとギリシャの国境に位置し、Sarantaporos川によって形成
- 洞窟の内部は低く狭い通路が多く、硫化水素ガスが充満
クモの共同体と生態
- 約111,000匹のクモが生息する巨大共同体
- 主な種はTegenaria domestica(Barn funnel weaver)とPrinerigone vagans
- 通常、Tegenaria domesticaはPrinerigone vagansを捕食するが、洞窟内では共存
- 暗闇で視認できないため、攻撃性が抑制されていると推測
- 洞窟内のクモは外部の個体群と遺伝的な違いがあり、独自の進化を示唆
食物連鎖と生息環境
- 洞窟内には2,400,000匹以上のユスリカ類が生息し、クモの豊富な餌源
- 洞窟は**年間を通じて約27℃(80°F)**を維持
- 硫化水素ガスの濃度が高く、他の動物の生息は困難
- 洞窟へのアクセスは困難で、ウェットスーツやロープを使って川を渡る必要
巣の構造と観察
- 巣は何千もの漏斗状の小巣が組み合わさった構造
- 光を当てると絹糸が輝き、星空のような光景
- 巣には複数の層があり、重みで一部が落下することも
- 触れると柔らかく弾力のある“スポンジ状”の感触
研究と今後の課題
- 2022年にCzech Speleological Societyが洞窟を発見、その後研究チームが調査
- 2023~2025年に複数回の現地調査を実施
- クモの個体数や巣の大きさは古い巣も含めた推計で、実際より多めの可能性
- 社会性を持たない2種のクモが共存する理由や進化の過程が今後の研究テーマ
洞窟クモ共同体の意義と展望
- 孤立した特殊環境がもたらす進化の実例
- 生物多様性や共生関係の新たな発見
- 人間のアクセスが困難なため、今後も長期的な共同体の維持が期待
- さらなる生態学的・遺伝学的調査の必要性