2025年のデータベース:振り返り
102日前原文(www.cs.cmu.edu)
概要
- 2025年のデータベース業界の主要トレンドと出来事を総括
- PostgreSQLの支配力がさらに強化、関連企業やサービスの動向
- 分散型PostgreSQLプロジェクトの登場と各社の戦略
- AnthropicのModel Context Protocol(MCP)の普及と業界への影響
- MCPサーバーやデータベースブランチ機能の活用状況
2025年のデータベース業界総括
- 2025年もデータベース分野で多くの画期的な出来事が発生
- Vibe codingの流行語化やWu-Tang Clanのタイムカプセルプロジェクトなど、業界外からの影響も話題
- Databricksが上場せずに2度の大型資金調達を実施、SnowflakeもCrunchyDataを2.5億ドルで買収
- Redis Ltd.がライセンスを再変更、SurrealDBのベンチマーク不正、HydraやPostgresMLの事業終了
- 記事で取り上げる内容は、筆者が注目した出来事に限定、全てのシステムや企業を網羅できない点に注意喚起
PostgreSQLの支配力拡大
- PostgreSQLは2025年も業界の中心的存在、v18で非同期I/Oストレージやスキップスキャン等を導入
- 他DBMSですでに実装済みの機能も多いが、PostgreSQL関連企業やプロジェクトの活発さが注目点
- DatabricksがNeonを10億ドルで買収、SnowflakeはCrunchyDataを2.5億ドルで取得、MicrosoftはHorizonDBを新規投入
- NeonやHorizonDBはAuroraのアーキテクチャを踏襲
- SnowflakeはCrunchy Bridgeベースで標準PostgreSQLアーキテクチャ
- 分散型(スケールアウト)PostgreSQLプロジェクトが新たに発表
- SupabaseがVitess共同創業者Suguを迎え、Multigresプロジェクトを始動
- PlanetScaleはNeki(Vitess for PostgreSQL)を発表
- 主要クラウドベンダーが揃ってPostgreSQLサービスを展開
- Amazon(Aurora)、Google(AlloyDB)、ServiceNow(RaptorDB)、IBM、Oracle、Microsoft(HorizonDB)
- 独立系(ISV)のPostgreSQL DBaaSも存在
- Supabase、YugabyteDB、TigerData(旧TimeScale)、PlanetScale、Xata、PgEdge、Nileなど
- Temboは2025年にDBaaSを終了し、データベースチューニングエージェントへ転換
- Hydra、PostgresMLは2025年に事業終了
- PostgreSQL互換フロントエンドを持つが、バックエンドが異なるシステムも存在
- CockroachDB、CedarDB、Google Spannerなど
- PostgreSQL M&Aの今後は不透明、業界再編の可能性
- EnterpriseDBの動向や、過去のOLAP業界の買収劇との類似性
- 分散PostgreSQLの歴史的経緯(Greenplum、ParAccel、Citus、Postgres-XC/XL、YugabyteDB等)
- Microsoftの製品名の混乱(Citus、Cosmos DB、Flexible Server等)
MCP(Model Context Protocol)の普及
- 2025年はほぼ全てのDBMSがAnthropicのMCP対応を実現
- MCPはLLMと外部データソースの連携を標準化するJSON-RPCインターフェース
- サーバーがDBMSの前段でツールやデータ、アクションを提供
- クライアント(ClaudeやChatGPT等)がMCP経由でDB操作や管理コマンドを実行
- OpenAIが2025年3月にMCPサポートを発表し、急速に普及
- OLAP(ClickHouse、Snowflake等)、SQL(YugabyteDB、Oracle等)、NoSQL(MongoDB、Redis等)でMCPサーバーが登場
- Postgres公式MCPサーバーは存在せず、各DBaaSが独自実装(Timescale、Supabase、Xata等)
- クラウドベンダーはマルチDB対応MCPサーバーを提供
- MCPサーバーは単一DBへのリクエストのみ対応、アプリ側での統合処理が必要
- サードパーティやコミュニティによるMCPサーバー実装も多数
- DBHub等、複数DB対応のMCPサーバーも登場
- データベースブランチ機能がエージェント用途で活躍
- Neonではエージェント作成DBの8割がブランチ機能を利用
- Neonは設計段階からブランチをサポート、他社も追随傾向
今後の展望と業界動向
- PostgreSQLを巡る競争激化と分散型アーキテクチャの進化
- MCPを中心としたLLM連携の標準化が進展
- クラウドベンダーと独立系DBaaSの差別化、M&A動向に注目
- 業界内の論争や競争激化(例:PlanetScale vs Neon/Timescale)も今後の見どころ