ストリートファイターII ワールドウォリアー (2021)
概要
- Street Fighter IIのサブタイトルに発生した誤字問題のエピソード紹介
- CPS-1ハードウェアの制約とグラフィック修正方法の詳細解説
- Akimanによる独創的な修正アイデアとその実現過程
- タイルとパレット管理の工夫による問題解決
- 後のバージョンでの正式な修正についても言及
ストリートファイターII「World Warrier」誤字事件
- Street Fighter IIの初期出荷直前、サブタイトル「World Warrior」が「World Warrier」と誤記されていた事実
- Akiman(リードグラフィックデザイナー)が、出荷3日前にこの誤字を発見
- CPS-1アーケード基板は、タイル画像をROMからそのまま描画するため、画像の直接修正が不可能
- GFX ROM(グラフィックROM)は既に焼かれており、68000命令ROMのみ変更可能な状況
- ロゴ画像のタイル配列を工夫し、既存のタイルを再配置することで誤字修正を試みる
修正の試行錯誤
- 「World」の「or」を「ier」と入れ替え、タイルの差し替えで暫定修正
- 0xDD, 0xDE, 0xDFタイルを0xCD, 0xCEに置き換え
- しかし、「W」の右足が「l」に見え、「The World Warrlor」という新たな誤字が発生
- 「l」の上部を点付きiに見せる必要が生じるが、タイル自体の書き換えは不可
Guileのふくらはぎタイルによる解決
- **Guileの足タイル(0x96)**が透明ピクセルばかりで、1ピクセルだけ描画されることに着目
- パレット制御により、ロゴ用の青色パレットでこのタイルを利用
- Guileの緑色パレットではなく、ロゴの青色パレットを指定
- 256ピクセル中1ピクセルのみを「ペン」として活用
- このタイルを3回重ね描きし、「l」の上部をカットして「i」に見せかける
- これにより、「Warrior」のiが不自然に見える理由が判明
後日談と正式修正
- 後のバージョンでは、正しい「IOR」タイルが追加される
- しかし、サブタイトル自体が「Champion Edition」や「Hyper-fighting」に変更され、使われなくなる皮肉
- このエピソードは、現場の機転と技術的工夫の象徴
参考
- Akimanの証言(Shmuplation翻訳)
- CPS-1のタイル描画仕様
- Street Fighter IIロゴのタイル番号解析