私は書籍契約をキャンセルしました
106日前原文(austinhenley.com)
概要
- Carnegie Mellon UniversityのAustin Z. Henleyによる技術書出版体験の詳細
- 大手出版社との契約交渉や執筆過程の実態
- 出版社との軋轢やAI導入圧力の実例
- プロジェクト中断と自己出版への転換
- 今後の出版計画や読者への案内
大手技術書出版社との出版体験
- 2020~2022年、ブログ人気により大手出版社から書籍執筆の打診
- 自己出版を検討するも、最終的に出版社と契約決定
- 出版社の担当編集者との協働による企画立案と詳細なアウトライン作成
- 例:Webクローラー、2Dゲーム、コンパイラ、HTTPサーバ、描画アプリ、CHIP-8エミュレータ、ミニプロジェクト集
- ブログの人気記事や数百万PVを根拠に市場性をアピール
- 各章の最後に発展課題や読者への提案を掲載予定
出版契約と条件の現実
- 契約内容の詳細な交渉、目次や読者層の明記が必須
- ページ数・図表数の規定(10~30点)、原稿料$5,000の前払い(2回分割)
- 印税率は低く、初版7,000部まで12%、それ以降15%、翻訳は50%
- 自己購入割引や見本誌25冊の提供
- 売上実績は非公開、中央値は数千部、トップ書籍のみ数十万部
執筆プロセスと出版社の要求
- 担当編集者との定期的な打ち合わせ、原稿提出はAsciiDocまたはWord限定
- 厳格なスタイルガイドの遵守指示
- 進捗遅延時の頻繁な催促メールや、内容の「一般化」要求
- 例:Python入門章の追加要請、読者層の拡大指示
- 個性や専門性の抑制、機械的な書籍制作方針
AI導入圧力と方針対立
- ChatGPT登場直後、AI関連内容の追加を出版社側が強く要請
- 例:MLアルゴリズム章やAI活用Tipsの提案
- 著者は一貫して拒否、クラシックなプログラミング体験を重視
- 出版社は「今後全書籍にAI要素必須」と発言
技術レビューと制作の停滞
- 原稿の技術レビューでは「プロダクション品質」指摘など、期待値のズレ
- 2回目以降のレビューで方向性の理解が進み、建設的な指摘が増加
- 既存原稿の修正作業の煩雑さ、進行の遅延
プロジェクト中断と自己出版への転換
- 執筆遅延、編集者交代、AI方針圧力、プライベートの変化(転職・結婚)などが重なり、モチベーション低下
- 出版社と協議の上でプロジェクト凍結、後に正式契約解除
- 著作権が著者に戻る、今後は自己出版やブログ連載を検討
今後の展望と読者への案内
- 電子書籍の予約受付を開始、各章完成次第配信予定
- 印刷版はAmazonで後日販売予定
- 今後は自己出版や他プロジェクトへの挑戦も視野
この体験談は、技術書出版の現実や出版社との関係性、自己出版の選択肢について、現場のリアルな視点から学べる貴重な記録です。