世界を動かす技術を、日本語で。

アマゾンがインターネット全体で価格を引き上げる

2026年10月14日原文(not-ship.com)

概要

  • Not-Ship が来週1周年を迎える記念キャンペーン告知
  • Amazon の販売手数料や価格操作の実態解説
  • FTC による独占禁止法訴訟の背景説明
  • Amazonの影響力が他の小売価格にも及ぶ現状
  • オススメ書籍や他の興味深い話題の紹介

Not-Ship 1周年記念キャンペーンと読者へのお願い

  • Not-Ship が来週で1周年を迎える案内
  • 新規メンバー向けキャンペーン開始予定
  • 無料購読者への追加メールは週刊版に加えて3通のみ配信
  • 読者へのお願い:メール返信で「I read Not-Ship because...」の理由を共有依頼
  • Amandaからの感謝のメッセージ

Amazonの検索ページと価格操作の裏側

  • 先週の記事で Amazon の検索ページが消費者を不利にする仕組みを解説
    • トップ行の広告トラップ
    • 広告の氾濫
    • 割引の見せかけ(ディスカウントウォッシング)
  • 今回はその裏側と Amazon の価格維持戦略を解説
  • 米国連邦取引委員会( FTC)の独占禁止法訴訟の核心部分

Amazonが出品者に課す高額手数料

  • Amazon は独立系出品者から多額の手数料を徴収
  • 2014年時点で約19%だった手数料が、現在は売上の約半分に達するケースも
  • 基本手数料(多くのカテゴリーで15%)はeBayやWalmartと同水準
  • 追加手数料(フルフィルメント、保管、返品、広告)が積み重なる構造
  • 例:アパレル出品者がAmazonのフルフィルメントや広告を利用した場合の費用負担
    • 紹介料(Referral Fee):必須
    • フルフィルメント手数料:Amazon倉庫からの発送費用
    • 広告費:検索上位に表示されるための費用
  • 実質的に「選択肢」はなく、売上確保のためには追加費用が不可避

出品者が価格を上げざるを得ない理由

  • 出品者は売上の半分近くを Amazon に支払う必要
  • 残りの収益で原価、物流、人件費などを賄う必要
  • 手数料を吸収する余地がなく、価格転嫁が避けられない現実
  • 紹介料が価格のパーセンテージであるため、価格が上がるほどAmazonの取り分も増加

他の販売チャネルでも値下げできない仕組み

  • Amazon Fair Pricing Policy により、他サイトで安く販売するとBuy Box(カートに追加ボタン)剥奪やアカウント停止のリスク
  • Amazonでの価格引き上げは、他チャネル(自社サイト含む)でも同様の価格設定を強要
  • 結果:Amazon価格が市場全体の基準となり、他でも安く買えない状況
  • 事例:Targetで値下げした結果Buy Box喪失、1セントの価格差でアカウント停止など
  • 競争原理が働かず、消費者はどこでも Amazon 価格を支払う羽目に

出品者がAmazonから離れられない理由

  • Amazon が米国オンライン小売の約40%を占める圧倒的集客力
  • Amazon非掲載は売上減少リスクが高く、実質的に不可避
  • 独占的地位を利用した出品者への圧力

規制当局の動きと国際的な対応

  • 2023年、 FTC と17州がAmazonを独占禁止法違反で提訴
    • 他チャネルでの価格競争阻害
    • 倉庫利用や手数料の強制
  • Amazonは不正行為を否定、裁判は来年予定
  • ドイツでは出品者価格管理の停止命令(2024年)、ただし未確定

Amazonの特異性とその影響

  • 他のECでも広告や見せかけ割引は存在
  • Amazon の違いは市場支配力と価格波及効果
  • Amazonを利用しなくても、その価格に市場全体が引きずられる現象

FULL DISCLOSURE(筆者の立場開示)

  • 筆者は過去に Washington Post (Jeff Bezos所有)で勤務
  • 当時、Bezosは出版部門の縮小に注力し、社内で不評

ENSHITTIFICATION(エンシッティフィケーション)概念の紹介

  • Cory Doctorowによる「エンシッティフィケーション」概念
    • オンラインプラットフォームがユーザーより自社利益を優先し始める過程
  • Doctorowの著書『Enshittification: Why Everything Suddenly Got Worse and What to Do About It』を推薦
    • 独占禁止法問題を平易かつエンターテイメント性を持って解説

その他の注目話題

  • Alvin Changによる「死後の世界」調査記事
  • Irene Saputraの刺繍アート(Instagramで紹介)
  • 中世の魔術書「Ars Notoria」による学習法紹介

MORE NOT-SHIP(他の人気記事紹介)

  • 化石燃料企業のグリーンウォッシュ戦略
  • 「Amazonの利益はAmazonのため」特集
  • バードウォッチングとメンタルヘルスの関係

Hackerたちの意見

Amazonで普通のものの価格が急上昇してるのに気づいた。結局、同じものをeBayやAliExpressでチェックすると、どっちもいつも安いし、時には複数で売ってることもある。例えば、プール用の浮き輪なんか、Amazonだと20ドル以上するけど、他では簡単に半額以下で買えるし、実際のところ、全体のことを考えたら1ドルの価値もないよね。

└

Amazonの出品者にかかる手数料はマジでバカげてるし、これが価格を高く保つ原因になってるよね。

└

もうAmazonでの買い物は完全にやめたんだけど、クレジットカードの請求書にかなりの影響が出てる。商品が高いだけじゃなくて、地元や他のオンラインショップで買い物するのが面倒じゃないギリギリの価格に設定されてる気がする。彼らの略奪的なやり方のおかげで、オンラインの価格は西洋ブランドの商品に関してはどの小売店でもほぼ同じになってる。中国ブランドについては、AliExpressを使う方がずっと安いけど、配送が遅いし、返品も面倒。まあ、これは印象の問題だけどね。Amazonをブロックして、いつも通り買い物を続けたら、今は地元の小売店での購入が増えて、買う量はほぼ同じだけど、支出はかなり減ったよ。

└

そうだね。イギリスではAmazonの利点はほとんどない。以前は、スーパーマーケットより安いからまとめ買いしてたけど、今はそれが真実じゃなくなった。実際、通常は10〜25%高いし。今すぐプライムをキャンセルすべきだな。編集:キャンセルした!

└

-このアカウントは制限されているため、コメントには返信できません。投稿が削除されました。-

└

frustratingなのは、eBayで小さいものを買ったら、数日後にAmazonのパッケージで届くことだよね。

Amazonの公正価格ポリシーはイギリスやEUでは適用されない(違法だから)。EUはこれが市場のダイナミクスにどう影響するかを調査中で、どんな結果になるか興味深いね。

└

こういうの読むたびに「アメリカってマジでヤバいな」って思う。

└

確かにいい指摘だね。記事に書いてある政策はEUでは適用されないけど、EUでもAmazonが安いわけじゃないし。アメリカでは、Amazonより安い競合が普通にあるし(例えば、Microcenterでブランド品がAmazonより安いのをよく見るよ)、eBayみたいなサイトには適用されないし。実際、インターネット全体の価格に強い影響があるのか疑問だよね。

└

これがアメリカで合法だなんて、マジで信じられない。

最近、AmazonでAppleなどの有名ブランド以外のものを検索すると、90%以上が質が疑わしい中国製品ばかり出てくる。そういうのは、直接仕入れた方が安く買えるし。彼らの小売ビジネスの唯一のポイントは、こういう売り手との問題をサポートすることみたいだけど、ますますお客さんは、アメリカの住所が付いたTaobaoに対して払っている巨額のプレミアムが正当化されるとは思わなくなるんじゃないかな。

└

もうTemuやAliexpressと何も変わらないよね。

Hacker Newsで議論の続きを見る