概要
- 人間とアリの総重量比較 の誤解
- 生物種ごとのバイオマス ランキング
- 動物界トップは家畜(特に牛)
- 植物界はブラックスプルースやダフリアンカラマツが圧倒的
- 炭素量で見た生物界の勢力図
世界の生物バイオマス比較
- 「世界中のアリの総重量は人間と同じ」という説は 誤り、人間の総重量はアリの 約5倍
- シロアリ は人間より多い可能性もあるが、厳密な比較は難しい
- 生物種ごとの「 バイオマス(総質量)」で競うと、意外な勝者が現れる
動物界のバイオマス
- 人間 のバイオマス:約 3億5000万トン
- 南極オキアミ(Antarctic Krill) :推定 3億7900万トン
- 1匹あたり約2gと小さいが、個体数が多く、クジラの餌としても重要
- 牛(Cattle) :圧倒的トップで 6億5000万トン
- 家畜動物として最大規模
- 豚(Pigs) は 1億4000万トン で人間やオキアミより下位
動物以外の生物界
- バイオマスを 炭素量 で比較する研究(Bar-On et al. 2018)によると、動物界は他の生物界に比べて かなり小規模
- 炭素量による主要生物界の比較:
- 動物界 :20億トン
- ウイルス :2億トン
- 原生生物(Protists) :40億トン
- 古細菌(Archaea) :70億トン
- 菌類(Fungi) :120億トン
- 細菌(Bacteria) :700億トン
- 植物(Plants) :4,500億トン
植物界のバイオマス
栽培植物
- トウモロコシ(Maize) :年間収穫量 11億トン、牛の約2倍
- サトウキビ(Sugar Cane) :2023年の収穫量 20億トン で最大規模
- 多年生作物で、年間を通じて 生育中のバイオマス も多い
野生植物・樹木
- ブラックスプルース(Black Spruce, Picea mariana) :カナダで 110億トン超
- 世界最大級の森林で支配的な樹種
- ダフリアンカラマツ(Dahurian Larch) :ロシアで 84億トン以上 (推定)
- ロシアの森林の主要構成種で、全体の35.6%を占める
- 参考: Pando(アスペンのクローンコロニー) は個体で最大級(6,000トン)だが、全体のバイオマスでは上記樹種に及ばない
炭素量での比較
- ブラックスプルースの木質は 約51%が炭素
- ブラックスプルース1種だけで、 動物界全体の約3倍の炭素量
- 植物界が 生物界の炭素循環を支配
バイオマスから見る地球の支配者
- 人間が生態系を支配している ように見えるが、バイオマスや炭素量で見ると 植物(特に森林の樹木)が圧倒的
- 動物界トップの牛や人間も、 ブラックスプルースやダフリアンカラマツには遠く及ばない
- 地球の「最大の生物種」を問うなら、 北方林の樹木が真の勝者