概要
- Microsoftの内部分析サービス 「Titan」にて認証トークンの署名検証が未実装だった脆弱性
- 推定17.3兆行 ものデータが認証回避でアクセス可能だった事例
- AIと人間の直感 が組み合わさり脆弱性発見に至った経緯
- 顧客データや個人情報には未接触、影響は仮説上のもの
- Microsoftによる修正と感謝表明、安全なバグ報告の重要性
Microsoft Titan APIの認証バイパス脆弱性発見記
- 2026年8月25日、自作AI「Antares」がMicrosoftの内部サービス Titan API を発見
- Titanは VPN認証が必要 な社員専用サービスで、フロントエンド経由ではアクセス不可
- Antaresが サブドメイン探索 と Swaggerファイル解析 で直接APIエンドポイントを特定
- /v2/Query エンドポイントは 認証トークン署名を検証せず、SQLクエリを受け付ける仕様
- JWTの 署名部を空欄 にしたトークンで認証を突破、 admin ユーザーとして権限昇格
- テスト用データベースから始まり、 社員情報・分析データ など広範なデータベースへアクセス可能
- Bing Analytics等の実データ もサンプル取得可能な状態、最大 9,863テーブル が対象
- 合計17.3兆行 のデータに到達可能という規模を確認
発見・検証の流れ
- Antaresが JWTの各種検証エラー を自動で解析・突破
- upn(ユーザー名) の使い方に着目し、 admin 指定でローカル管理者権限を獲得
- SHOW DATABASES コマンド等で接続先データベースとテーブルを列挙
- 社員アカウント・メールアドレス・組織情報 などのメタデータを確認
- Bing Analytics 等、複数の実サービスの分析データにも到達
- データ取得は サンプル行・メタデータのみに限定、個人情報や顧客データには未接触
Microsoftの対応と教訓
- 発見後すぐにMSRCへ報告、Microsoftが修正・感謝を表明
- AIと人間の協働 で検出できた事例、AIは機械的作業・人間は直感的発想で補完
- 署名検証の未実装 が全ての認証ロジックを無効化した点が最大の問題
- 「認証トークンの署名検証」 は認証機構実装時の最重要ポイント
- バグバウンティプログラム を通じた安全な脆弱性報告の意義
タイムライン
- 2026/08/25 :AntaresがTitan APIを発見、アーカイブからテーブル定義も取得
- 2026/08/25~09/05 :AntaresがJWT検証を自動解析、upn欄の試行錯誤
- 2026/09/05 :筆者がadmin指定で突破、脆弱性の本質を特定
開発者・セキュリティ担当者へのメッセージ
- 認証トークンの署名検証は必須、ロジックだけでは安全性を担保できない
- AIツールと人間の直感 の組み合わせが新たな脆弱性発見の鍵
- 安全な脆弱性報告と迅速な対応 がサービス全体の信頼性向上に寄与