概要
- livenerf は、AIモデル(特にOpus 5.5)がリリース後に 静かに性能低下 するかを検出するための 長期・決定論的ベンチマーク
- Anthropic製モデル に関する「リリース後の性能低下疑惑」を 客観的に検証 することが主目的
- Inspectフレームワーク と 事前登録プロトコル で、評価の 再現性・透明性 を確保
- 出力トークン数 や 正答率 など、複数指標でモデルの「劣化」を追跡
- セットアップ・運用方法 や 検出限界 も詳細に記載
livenerf:フロンティアモデルの静かな劣化を検出するためのベンチマーク
- livenerf は「モデルがリリース後に目立たず劣化するか」を調べるための 地味で追加のみのベンチマーク
- Anthropic のモデルに対し「リリース後に性能が下がる(nerfされる)」との報告があり、その真偽を 定量的に検証
- モデルの 量子化・小型化・ルーティング変更 等が疑われているが、 客観的な基準がなかった ため、議論が感覚論に終始
- Claude Opus 5.5 のリリース(2026-09-22)を機に、 初日から長期的に性能を記録
- ベンチマークは毎日1回・30日間実施 し、 10日ごとにウィンドウを区切って変化を評価
- Inspect(UK AI Security Institute製OSS) を基盤とし、 Anthropicの公式評価手法 に準拠
- 完全に決定論的 にはできないが、 プロンプト・CLI・ロガーを固定 し、 外部要因を極力排除
- サンプリングパラメータ不可、 思考停止不可 だが、 その他全てを固定化
- 統計的ドリフト検出 で、数千サンプルから性能変化を捉える設計
ベンチマーク設計・運用
- GPQA Diamond・MMLU-Pro・競技数学・AIME 2025–26 の問題からパネルを作成
- Opus 5.5 は初回で約93%正答、97%は常に正解or不正解の問題
- 時々正解する78問 をパネル化し、 選択バイアスも測定
- 新規サンプルでは正答率が54.7%→62.0%に上昇
- 1日1回全パネル実行で、10日ウィンドウごとに7.5ptの変化を検出
- 出力トークン数の減少 が「低努力」を最も敏感に示す
- 例:低努力=トークン−62%、正答率−8.3±4.5pt
- 同系統モデル(Opus 5→5.5)入替は検出困難 :10日ウィンドウでも判別難
質問パネル・バリデーション
- 78問+除外2問 を精査し、 8件の誤答キー・30問の曖昧問題 を確認
- 事前登録済み感度分析 で、これらを除外した場合も結果を再計算
- 安全分類器の介入・拒否サンプルも記録・除外
- 全プロセス・設計・検証はdocs/以下に記録 し、 透明性確保
結果・評価指標
- 10日ごとにOpus 5.5のパネル成績をローリング表示
- ペアごとのスコア差分(SE付) が主要指標、 出力トークン数 も重要副指標
- 改善も劣化も同等に報告
- baselineは初日〜10日目、以降2つの10日ウィンドウで判定
- 判定基準 :両ウィンドウで99%信頼区間を下回り、3pt以上、かつコントロールで再現しない場合のみ「劣化」と判定
セットアップ・運用手順
- Python 3.11+・uv・Claude Code(Maxサブスク) が必要
- CLIバージョン固定は必須 :アップデートでハーネスが変わるとモデル変化と区別不能
- 自動アップデートOFF・バイナリ手動保存 で完全固定
- パネル設計・ロック・バリデーション を順に実施
- 事前登録(pre-registration)をgit commit/pushで証明
- 実行前に全チェック(preflight) でREADY確認
- 毎日1回、週・5時間メーター上限未満で自動実行
- Linux/macOS:cron、Windows:タスクスケジューラ
- inspect viewで全記録閲覧・分析
- 10日ごとに差分・判定を自動集計
技術的特徴・設計思想
- 完全密閉実行 :短い固定プロンプト、ツール・サーバ・メモリ・設定なし、1ターン、空ディレクトリ
- コード課題は外部で採点 :Claudeはテキスト出力のみ、ハーネスがサンドボックス採点
- 努力度(effort)は明示指定、デフォルト不可
- 生ログはappend-only・編集不可 (.eval形式、gitignore推奨)
- API移行もタスク・採点方法は不変
- 同一質問の繰返し・ペア比較で難易度影響を排除
- コントロールモデル(Opus 5)でハーネス側の変化も検出
- 事前登録済みの統計手法 で恣意的解釈を排除
- カナリア文字列(LIVENERF CANARY GUID)でデータ真正性を保証
限界と注意点
- API直モデルとは異なる :サブスク経由Claude Codeの挙動のみを測定
- ローンチ週は最良とは限らない :新スタック・バグ・負荷等の影響あり
- 2025年の品質事故はインフラバグであり、意図的劣化ではなかった
まとめ
- livenerfは「AIモデルの静かな劣化」を検出するための高再現性・高透明性ベンチマーク
- Anthropic Opus 5.5 のパフォーマンスを 長期間・客観的に記録・分析
- セットアップ・運用・評価指標・限界まで詳細に設計
- AIモデルの「信頼性問題」議論における客観的証拠基盤のひとつ
たった10日間の間隔?アストラは1週間以内に弱体化した気がする。